はじめに

レコードの発明から150年。録音方式はアコースティック録音から電気式へ。半世紀前からテープで記録される様になり、1980年頃からはデジタルに。現在ではコンピューターを用いたデジタルオーディオワークステーション(DAW)で録音することが殆どで、メディアもレコードやテープからコンパクトディスク。そして現在ではダウンロード販売やサブスクリプションでの配信による販売が主流となってきた。

録音方式やメディアの移り変わりだけでなく、価値は多様化しまたコンテンツの消費速度は加速度的にに上がった。

制作に必要なスキルは、従来であればレコード会社やスタジオで何年も修行を重ね、様々な制作に必要なノウハウを身につけるのが常であったが、前述の様な多様化に伴い、コンテンツホルダーや製作陣を取り巻く環境も変化し続ける。

これまで、多くの作品に携わり、一定数の質問を寄せられることもあるが、およそいくつかに分けることが出来
1. 初めて録音物の制作を行う
2. これまでなんとなく感覚でやってきた
3. およそ20年位前のデジタル式のテープの手法で進化が止まっている
の様なケースが多い様に肌感覚として感じる。

ここでは、当事業の関係者との情報共有、これから録音物の制作を行いたいという方の一部手引きとなればと思い、そのノウハウを示す。

尚、順番は思いついた順、もしくは質順で、録音屋制作の全てのノウハウを網羅したものではなく、質問も一切回答しない。