マルコ・メンコボーニ|指揮|チェンバロ|オルガン

マルコ・メンコボーニ
指揮|チェンバロ|オルガン

1984年アムステルダム・スヴェーリンク音楽院に入学し、トン・コープマンにチェンバロを師事、1987年にはグスタフ・レオンハルトのクラスに移り、1990年に勉強を終えるまで、この巨匠のもとでこの楽器の芸術について学んだ。1985年にはボローニャ音楽院、ウンベルト・ピネスキーのクラスで、作曲とオルガンを学び始める。1988年にはバーゼル・スコラ・カントールムのイェスパー・クリステンセンの元で、通奏低音と室内楽を学び、ペーザロ音楽院でチェンバロ科を優等で卒業。2008年にはファエンツァにて指揮の勉強を始め、その後レッチェ音楽院にて指揮とルネサンス期の声楽について学び、2012年に優等で学位を取得した。
1981年に最初のオルガン・リサイタルを行い、1985年にはミラノの高名な音楽祭、サン・マウリツィオ教会「ムジカ・エ・ポエジア」にてチェンバロのリサイタルを行う。1987年にはジョルディ・サヴァールのアンサンブル、エスペリオンXXのメンバーとなり、ヨーロッパ全土で公演をするとともに、モンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」と「オルフェオ」の録音に参加する。1990 年代初頭には、ヴァイオリニストのルイジ・マンジョカヴァッロとチェリストのクラウディオ・ロンコとともに、ヴェラチィーニとボンポルティの作品を採り上げた2枚のCDをリリースしている。1993年には、ヴォーカル・ アンサンブル“Sacro & Profano”を結成。その後に彼が創設したアンサンブル・カンタール・ロンターノは、20年以上に亘ってヨーロッパの主要音楽祭に出演し続けている。2010年アンコーナの港で行われたコンサートでは、港の様々な場所に係留された船の汽笛をクレーンの上から指揮するという異例のパフォーマンスを行う。それぞれの汽笛の音は、指揮者と同じくクレーンの上に立つ4人の歌手の声と完璧にブレンドされ、今でも語り草となっている。2012年アドリア海沿岸の国々の若き音楽家たちを集めた バロック・オーケストラ、カナルグランデを結成。
1985年にイタリアのFREQUENZレーベルにて初録音「バッハ:4台のチェンバロのための協奏曲イ短調 BWV 1065」をリリースした後は、NUOVAERAレーベルより、フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニのアカデミア・ソナタ全集、フランチェスコ・アントニオ・ポルポンティ:協奏曲とセレナータOp. 12、「裏切者なる愛よ」~J.S.バッハ、ヘンデル、スカルラッティの作品(マックス・ファン・エグモント との共演)など、数々のCDをリリース。1992年に自主レーベル、エ・ルーチェヴァン・レ・ステッレを設立、演奏家そしてプロデューサーとしてCD制作に携わり、あまり知られていない作品の発掘に力を注ぐ。これまでに発表した30以上のタイトルは、すべてメンコボーニのアイデアや独自の視点に基づくものである。2006年にはフランスのアルファ・レーベルよりディエゴ・オルティス:ナポリ宮廷のた めの「晩課」が、最近も、パン・クラシックスより、モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り、ギースリン・ダンケルツ:ミサ・デ・ベアータ・ヴィルジネなどの CDが再版されている。2017年には、スペインの古楽レーベルGlossaがモンテヴェルディ生誕450周年記念アルバムとして「クロリンダとタンクレディ〜モンテヴェルディの愛の情景」をリリースしている。
メンコボーニが初めて芸術監督を務めたのは、イタリアの町チヴィターノ・マルケで、聖アゴスティーノ教会に設置されたオルガンの名器G.カリドを祝う音楽祭であった。その後、マルケ州で1999年から2014年まで開催された夏の音楽祭カンタール・ロンターノの芸術監督を務めた。彼はまた、REMAヨーロッパ古楽音楽祭ネットワークの役員であり、2016年には副会長に就任している。
演奏活動の傍ら、古楽演奏家の育成や古楽の魅力を伝える活動にも尽力しており、ユトレヒト古楽音楽 祭が制作した映画「ラ・セレニッシマ〜16-17世紀、ヴェネチアの音楽」では音楽学者として関わっている。また、2016年からは同音楽祭で、古楽の魅力を伝えるための映像作品、ビデオ・チュートリアルを監督、また役者として自ら出演している。4年目となる 2019年には、古楽の様々な側面を採り上げた18作品が上演される予定である。そして、チェンバロ製作家ブルース・ケネディがイタリア・トスカーナに設立したアカデミーで、チェンバロの講師として、世界中からやってくる留学生の指導をし、また各地の国際音楽祭の要望に応え、マスタークラスを開講している。2013年からはリスボンで毎年、また2018年にはパリ音楽院でマスタークラスを開催。2017年よりマルタ共和国のマノエル劇場で行われているモンテヴェルディ・プロジェクトの監督、指揮者、講師を務めており、若き声楽家たちにバロック音楽の魅力を伝えその振興に力を注いでいる。

Marco Mencoboni
Harpsichord | Organ

Marco Mencoboni: harpsichordist and organist, was born in 1961 in Macerata. He studied with Umberto Pineschi, Ton Koopman, Jesper Christensen and Gustav Leonhardt with whom he graduated at the Sweelinck Conservatorium in Amsterdam in 1990. He has dedicated many years to the rediscovery and performance of ancient musical repertoire of Baroque and Renaissance. Thanks to his tireless dedication, many jewels of a forgotten music have been brought back to life including works by Ignazio Donati, Pietro Pace, Costanzo Porta, Bartolomeo Barbarino, Luigi Battiferri. Today, as soloist and director of the Cantar Lontano ensamble, he is in demand by many important festivals of early music internationally as Ambronay, Utrecht, Trigonale, Pontoise, Haut Jurà, Ravenna Festival, Rossini Opera Festival and many others. Since 1999 he is the artistic director of the Cantar Lontano festival. He rediscovered and enhanced the “Cantar Lontano” practice, an extraordinary vocal technique of Marche early ‘600. This incredible forgotten praxis is realized placing strategically the singers in the Church space, to the imitation of many choruses, to create a spectacular widespread effect sound. This research has led to the need to transform the unexpected places in real theaters for music, element that characterized his work in recent years, leading him to perform pieces of the Renaissance mixing natural voices to the horns of seven ships in the port of Ancona. In 2010 he began working with the Pier Luigi Pizzi around the work of Monveverdi. His latest creation is Canalgrande adriatic baroque orchestra, an orchestra composed of musicians born and raised near the Adriatic Sea, an international project that unites musicians Italians, Croats, Slovenes, Albanians and Greeks. Dal 2013 collabora come docente all’Accademia Rossiniana di Alberto Zedda presso il Rossini Opera Festival di Pesaro. Dal 2015 è vicepresidente del REMA, l’associazione europea dei festival di musica antica. Per il Festival di Musica Antica Utrecht ha realizzato nel 2016 una serie di tutorial video sulle peculiarità della musica antica.