Category: バロック・ヴァイオリン

バロック・ヴァイオリン(Baroque Violin/Violino barocco)は、17〜18世紀の仕様で演奏されるヴァイオリン。ガット弦+低テンション、短めの指板と低いネック角度、バロック型ブリッジ/軽量バスバーを備え、肩当て・あご当ては不使用。外反りでやや短いバロック弓を用いることで、立ち上がりの速い発音と、言葉の子音のように明瞭なアーティキュレーション、豊かな中低音を生みます。チューニングはA=415Hzが標準(仏系では392Hz、独墺で430Hz前後も)。奏法はビブラートを装飾として節度ある頻度で用い、舞曲感・音価内アーティキュレーション(イネガル)・アグレマン(トリル、モルデント等)の即興付与が要点。主要レパートリーはコレッリ、ヴィヴァルディ、ヘンデル、ルクレール、ビーバー(スコルダトゥーラの《ロザリオ》)、J.S.バッハ《無伴奏ソナタ&パルティータ》、テレマンなど。